膀胱炎はなぜくり返すの?女性が知っておきたい基本

膀胱炎はなぜくり返すの?女性が知っておきたい基本

女性の半数以上が、一生のうちに一度は尿路感染症を経験すると言われています。そして、一度で終わらない方も少なくありません。体の中で何が起きているのか、研究でわかっていること、そして受診の目安をまとめました。

尿路感染症とは?
尿の通り道(腎臓・尿管・膀胱・尿道)に細菌が入り、炎症を起こす病気の総称です。もっとも多いのが、膀胱に起こる「膀胱炎」。排尿時のしみるような痛み、トイレが近い、急に行きたくなる、下腹部の不快感などが代表的なサインです。

細菌はどこから来るの?
多くの場合、原因は大腸菌です。大腸菌はもともと腸の中にいる細菌で、腸内では問題を起こしません。ところが、肛門のまわりから皮膚をつたって尿道の入り口へ移動し、膀胱へと上っていくと、感染の原因になります。
女性の尿道は約4cmと短く、入り口が肛門に近い位置にあります。これが、男性に比べて女性に尿路感染症がはるかに多いおもな理由です。

なぜくり返すの?
尿路感染症になった女性の約4人に1人が、6か月以内に再発するとされています。理由はまだ研究が進められているところですが、ひとつの鍵とされているのが腟の入り口まわりの環境です。健康な状態では、乳酸桿菌(ラクトバチルス)という細菌が多く、弱酸性に保たれています。この乳酸桿菌が減ると、大腸菌がその周辺にとどまりやすくなり、身近な「再感染のもと」になると考えられています。こうした変化には、閉経が関係するとされています。

閉経と尿路感染症
閉経後は、エストロゲン(女性ホルモン)が減少します。エストロゲンには腟の組織を健やかに保ち、乳酸桿菌を支える働きがあるため、減少すると乳酸桿菌も減りやすくなります。閉経後の女性463人を対象にした研究では、エストロゲン補充をしていない女性のほうが、大腸菌が見つかる割合が高かったと報告されています。年齢とともに尿路感染症が増える理由のひとつです。閉経後に何度もくり返す場合は、医師に相談しましょう。局所的なホルモン治療など、治療の選択肢があります。

わかっていること・できること
水分をしっかりとる
2018年の臨床試験では、膀胱炎をくり返していて、ふだんの水分摂取量が1日1.5リットル未満だった女性が、1日1.5リットルの水を追加で飲みました。1年間で、膀胱炎の回数は水を追加しなかったグループの約半分でした。(医師から水分制限の指示を受けている方は、その指示に従ってください。)

医療機関でよくすすめられる日常の習慣
一つひとつの効果が研究で明確に証明されているわけではありませんが、どれも手軽でリスクの少ないものです。
・トイレのあとは前から後ろへ拭く
・性交のあとに排尿する
・トイレを長時間がまんしない
・便秘を防ぐ
・通気性のよい綿の下着を選ぶ
・腟内洗浄や香料入りのデリケートゾーン用品は避ける

受診の目安
尿路感染症は、多くの場合、医師による治療が必要です。排尿時の痛みや頻尿がある場合は、早めに泌尿器科・婦人科・内科を受診しましょう。発熱や寒気、背中やわき腹の痛み、血尿がある場合、また妊娠中の方は、すぐに受診してください。感染が腎臓まで広がっているサインのこともあります。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスではありません。症状がある場合や気になることがある場合は、医師にご相談ください。